「褒めただけだったのに…」英語で冷や汗をかいた体験談
ある英語学習者さんから「英語で冷や汗をかいてしまった」2つの体験談をお聞きしました。「めちゃくちゃ勉強になる!」と思った内容だったので、ご本人に許可をいただいてこの記事にシェアさせていただきます。
今回の話の中に出てくるのは、improveとfinallyという決して難しくはない英単語。おそらく意味は何となくでも知っている方が多いと思います。
でも今回のお話を聞いて改めて「英単語の意味を知っていること」と「その場面に合った英語を使えること」は違うということを改めて感じていただければと思います。
今日はそんな生徒さんからいただいた2つの貴重な体験談をシェアしたいと思います。
「褒めたかっただけなのに…」
まず一つ目のエピソード。
生徒さんには、アニメーション作品を制作されているお友達がいらっしゃるそうです。
以前、その方が作った作品を一度見たことがあり、その後、もう一度新しく作られた作品を見る機会がありました。
新しい作品を見て、生徒さんは、「前よりさらに良くなってる!」と感じたそうなんですね。
そこで、
improve = 改善する、向上するという言葉を使って褒めたそうです。日本人の感覚からすると、あまり違和感はないかもしれません。
ところが、生徒さんがimprovedと言った瞬間、その場が一瞬、シーン……となったそう(笑)
そして、その場にいた別のネイティブスピーカーの方が慌ててrefinedと言い直してくださったそうです。
生徒さんはそこで、「あれ?もしかしてimprovedってあまり良くなかったのかな?」と気がついた。
さて、なぜこのような状況が起こったと思いますか?
ネイティブの先生に聞いてみたところ、こんな回答が返ってきました。
今回のような状況では、improvedを使うには少し注意が必要ということでした。なぜなら、「以前より良くなった」ということは、場合によっては、「以前はそれほど良くなかった」という意味まで暗に含んで聞こえることがあるからです。
そこで使えるのがrefineやpolishという単語。
refineには「磨きをかける」「洗練する」という意味があります。
例えば、
The design looks more refined.
と言えば、
「デザインがさらに洗練された感じがする」
というニュアンスになります。
polishは「磨きをかける」という意味ですが、refineとは少し違い、「すでにかなり出来上がっているものに、最後の細かな調整を加えて、さらに完成度を高める」という感覚です。
たとえば、
Your presentation is already good. It just needs a little polishing.
「プレゼンはもう十分いいよ。あとは少し磨き上げるだけだね。」
ですのでこの場合、もともと良かった作品がさらに洗練された、と伝えたいのであれば、
It looks more refined.
「より洗練された感じがする。」
It looks more polished.
「さらに完成度が上がった感じがする。」
このように聞くと、元も良かったけど更に良くなったというニュアンスが出ますよね。
ただ、improveを使えない、ということではないんです。例えば英語学習でも、Your English has really improved.「英語、本当に上達したね」と言うことはあります。
例えばこのネイティブの先生が生徒さんに「英語が上達したね」と伝えたい時は
Your English is really improving.
「英語、上達してるね。」
で終わらせず、
I think that you had a really solid foundation when we spoke for the first time, but I just think that it's improved a lot since then.
「初めて話したときから、しっかりした英語の基礎はあったと思うんだけど、そこからさらにすごく上達したと思うよ。」
という形で補足を入れて伝えるようにしているそう。生徒さんに「前は良くなかったのかな」と思って欲しくないからです。
このエピソードからの学びは実際のコミュニケーションでは、辞書通りには進まない。ということ。
improveには確かに「改善する・向上する」という意味がある。だから、日本語から考えれば選択として間違っているようには見えない。でも「どのような場面・文脈で使うのか」ということを知っておくことも大切なのです。